各国政府・金融当局の追加措置に怯えて戦う必要はあるのか?

※2020年4月1日21時00分時点のNews Column

📌市場動向

✅FRB「海外中銀にドルの流動性を供給する緊急措置を決定」

同措置により、各国中銀は米国債をドルに交換する事が可能になり、管轄する金融機関に供給できる。
但し、弱い経済指標が続く中発表された同措置がドルの重しとなっている。

トランプ大統領「実質金利ゼロ、借りてインフラ整備するのに絶好の機会」

先週成立した対策と同額の2兆ドル規模の公共事業などインフラ整備を進める追加経済対策への意向を示した。過去最大規模の財政政策案が続出しているが、同時に国家財政への影響が警戒され始める可能性も。

✅中国製造業購買担当者指数「52.0」

同指数は「50.0」が景気後退・拡大を左右する節目とされるが、新型コロナウイルスの影響で過去最低を記録した前月の「35.7」から1ヶ月で急回復した事になる。
市場予想を上回るペースの回復で、国内企業の活動再開が回復を後押した格好だ。
一方、世界的な景気後退が本格化する中、海外需要のV字回復には時間を要する見通し。単一の指標で、楽観には傾けない。

✅ECBメンバー・ギリシャ中銀総裁「2010年の欧州ソブリン債危機再発のリスクに言及」

欧州各国が共通した財政政策(共通債発行等)を行動せねば、欧州は再び債務危機に陥ると警鐘。金融危機の度に実行された多額の資金供給が、政府の負債を積み重ねてきた。現在、共通債発行については意見が対立している状況。

📌重要指標
✅米国 22時45分 製造業PMI
✅米国 23時00分 ISM製造業景況指数
✅米国 23時30分 EIA週間原油在庫
✅米国 27時30分 ボストン連銀総裁の発言

📌統括
海外中銀へのドル供給制度開設を受け、直近相場の急騰要因となった「資産の現金化」に伴うドル買いも落ち着きを見せ始めている。東京都閉鎖懸念に加え、本日発表を控えるADP・ISMも大幅な落ち込みが予想される中、上値の重い環境。

直近のドル急騰要因が「資産の現金化」によるものだと考えると、リスク先行によるドル高ではなく、リスク回避によるドル高と解釈できるが、つまるところ「市場は方向性を見失っているようで見失っていない」のかもしれない。
各国政府・金融当局のあらゆる措置が機能した結果の上昇でない事を伺うと、追加対策による中長期的な効果は見込みにくい状況。必要以上に追加措置に臆すのではなく、値動きを最優先に思考・判断・行動する事を忘れないでほしい。
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